昔の話
まるで、自分に子供が出来たみたいだった。

「ナーイーヴーズ!」

子供特有の高い、笑い声。
金の髪をもつ子と、銀の髪を持つ子。
一年前には、いなかった存在。
シップの中だというのに、空があり、雲が流れ、風が頬を撫でるこの空間で、
私は何年も一人で過ごした。
いえ、一人ではなかった。
夢を見ている、みんなと一緒だった。

「ほら、俺の方が背が高い」

「えー、そんなことない!同じくらいだよ!ね、レム?」

「んー、ナイヴズの方が・・・・ちょびーっと、高いかな?」

口を尖らせて、むー、と唸る金の髪の少年は、ヴァッシュ。
ほらみろ、と満足そうに笑っているのは、ナイヴズ。
成長が早いのは知っていたけれど、こんなにすくすくと育ってくれるなんて。
過去を思えば胸は苦しんだ。
だけど、過ちは繰り返さない。
この子達は、このままで育って欲しい。
できれば・・・何も知らずに。
これも、人間のエゴかしら。
私の、我儘かしら。














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