4、ミルクティー |
チャドの部屋に遊びにいくと、いつもミルクティーが置いてある。
ペットボトルの、ミルクティー。不思議に思って、尋ねてみたことがあった。
「お前、これ好きなの?」
これ、とペットボトルを手にして差し出せば、うーんと、顔を傾げて悩む姿。
「・・・・・・別に」
好きじゃ・・ないかな。
なんだそれ、と少し怒って、わかんねーの、と笑うとチャドは深い笑みを浮かべる。
そうだな、わかんねーな、と一護の口調を真似ていうけど、それが可笑しくてたまらない。
けらけらと笑い転げる一護に、そんなに笑わなくても、と拗ねた様子に、ごめんごめんと謝る。
ほんと、お前ってわっかんねーな。
そう言って、ああ、そういえば、と新たな話題を口にする一護に、チャドは心の中で好きだと言った。
一護がミルクティーを飲んでいたのを、なんとなしに見詰めていた時、呑むかと差し出してくれた。
喉が渇いていたし、甘いものを呑みたい気分だったから、ありがたく一口貰った。
間接キスだと気がついたのは、一護が飲み干したペットボトルをゴミ箱に捨てた時だ。
だから、なんとなしに、買ってしまう。
一護は覚えていない。これは、自分だけの思い出。
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